ねこぜ・ねこじた・ねこごてん with 泉北ホーム

泉北ホームで猫と共に暮らす家を建てるブログ~高気密・高断熱・準防火地域・三階建て~

設計&IC編:LDK片引き戸~これ見よがしにふかしてみる~

どうも、煙草を吸う経験をあまり積むことなく大きくなってしまったせしたです。というのも、大学でサークルではなく体育会系のクラブに所属してしまったため、なんちゃってアスリートとして学生生活を送ってしまいました。そのため、身近な人たちが誰も煙草を吸っていなかったので、自然とせしたも煙草を吸う習慣を養うことなくここまできてしまいました。そろそろ、バーボンのロックでも傾けながら葉巻をふかすダンディーな漢になりたいものです。






さて、先日の記事で二階の間取りやキッチンのデコマドについて紹介してきました。そのとき、間取りを見る中で違和感を持たれた方はいましたでしょうか?




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なんて、読者の方に問いかけてみましたが、興味のない方が大半でしょうし、「違和感」という表現はそもそもの「ノーマル」な状態を知っているからこそ抱くものですので、「知らねえよ!」と皆さんが苛立ちのあまりブラウザを閉じる前にさっさと本題に入りたいと思います。




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部屋の広さが何とも中途半端な数字になっており、片引き戸のところがLDK側にせり出しています。これは、図面上そういう表記になっているのではなく、本当にLDK側にせり出しているのです。そのような設計になっているのには理由があります。



まず、せしたとしてリビングの扉は片開き戸ではなく片引き戸にしたいという思いが強くありました。それは、せしたの家づくりにとって一番の願いである「猫との暮らし」のためです。


片開き戸
片開き戸
片引き戸
片引き戸

https://www.daiken.jp/




せしたが現在住んでいる賃貸では、御猫様のための部屋を設けており、せしたが生活している部屋とは分かれています。ですので、せしたが食事をとるときはもちろん別です。新居に引っ越し、せしたが食事をしているときにきなこさんとあんこさんが横で寛いでくれれば何よりですが、そうはいかない可能性も大いにあります。(現状、興味を示すかと思われます。)





新居では、御猫様のスペースとして三階をメインにしようと考えています。せしたが食事をしている際、二階リビングのドアを閉め、きなこさんとあんこさんには三階で寛いでいてもらう計画です。しばしのお別れは辛いのですが、変な物を口にしてしまうリスクを思えば苦渋の決断も致し方ありません。しかし、問題がない場面では基本的にドアは開けっ放しにする予定です。開けっ放しにより適しているのは片引き戸だと考え、リビングの扉は片引き戸にしたいと設計さんに伝えました。すると、設計さんから「せした家の2階リビングを片引き戸にする場合、アウトセットタイプになります。」と説明されました。



片引き戸:控壁
片引き戸:控壁


片引き戸の場合、建具が引き込まれる側の壁は「控壁」といって、柱などの無い非耐力壁になってしまいます。しかし、せしたが片引き戸を設置しようとしている場所は、耐力壁として必要な場所だったのです。ですので、耐力壁を残しつつ片引き戸にするためにはアウトセットタイプにするしかありませんでした。



アウトセット片引き戸
アウトセット片引き戸
アウトセット仕様
アウトセット仕様


欲を言えば、アウトセットタイプよりも通常の片引き戸の方が納まりが良いと思っていましたが、耐震性を犠牲にする訳にはいきません。2階リビングのドアはアウトセットタイプの片引き戸の方向で話を進めることになりました。




次に、片引き戸のデザインです。せした家ではDAIKENの床を採用予定でしたので、泉北ホームの仕組み的に自然とドアなどの建具もDAIKENとなります。(泉北ホームではドアなどの建具を複数のメーカーから選ぶ事が出来ますが、床と建具のメーカーは揃えることになっています。)




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DAIKENで選ぶことのできる片引き戸のデザインを眺めている中で、「これだ!」というデザインがありました。



DAIKEN片引き戸4Pデザイン
DAIKEN片引き戸4Pデザイン

このように、扉の面積の大部分がパネルになっているデザインです。せしたがドアを閉めるのは、御猫様との住み分けを考えて、なくなく閉める場面です。そんなときも、少しでも猫の存在を感じるこもができるよう、パネルの面積の大きい片引き戸のデザインに惚れ込んだのでした。




デザインが自分の中で決まってからも、何度も泉北ホームの仕様書をニヤニヤしながら眺めていました。


泉北ホーム建具仕様書
泉北ホーム建具仕様書
トレンドウッド調4Pデザイン
トレンドウッド調4Pデザイン

「いやー、やっぱりこのデザイン最高やなー!ドアを閉めているときまで、きなこさんとあんこさんを間近に感じることができるなんてなー!!幸せ過ぎる!!!」とブツブツ独り言をつぶやいているそんな時……



謎の記号
謎の記号

「あれ?よく見ると、デザインごとに謎の記号が……」


建具仕様詳細
建具仕様詳細


「!!!!!!」



なんと、デザインごとにアウトセットタイプの可否があるではありませんか!!!改めて、希望のデザインを見ると……


トレンドウッド調4Pデザイン:アウトセット不可
トレンドウッド調4Pデザイン:アウトセット不可


せした希望のトレンドウッド調4Pデザインはアウトセット対応していないというまさかの事態が判明してしまいました。「このままでは、きなこさんとあんこさんの息遣いを感じることができなくなってしまう!!そんなのは嫌だ!!」ということで、どうにかこのデザインを使うことはできないか考えた結果……



『アウトセットタイプに対応してへんねんやったら、普通の片引き戸にしたらええやん!でも、耐力壁は残すためにはアウトセットタイプにせなアカンから………せや!アウトセットになるはずやった部分まで壁にしたらいいんや!!』



という結論に至り、壁をふかすことにしました。「付加す(ふかす)」とは、壁の仕上げ面を前に出すことを指すそうです。既存の壁面前に木材等で下地を組んだり、パネル状の建材を張ったりすることで、既存の壁面ラインを前に出すことが「ふかす」工事であり、その様にふかした壁を「ふかし壁」と呼ぶそうです。簡単にいうと本来の壁より手前にもう1枚の壁を設置して、生まれた厚みを利活用できる壁となります。



ふかし壁パターン
ふかし壁パターン
ふかし壁a
ふかし壁a
ふかし壁b
ふかし壁b
ふかし壁c
ふかし壁c

このように、壁に凹凸をつけることで陰影が生まれ、よりオシャレさを演出することができます。




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https://www.senbokuhome.co.jp/



また、ふかし壁を利用してニッチを作り、小物を飾ったり、収納を作ったり、スイッチ類をまとめたりするのもありです。(ふかし壁でなくてもニッチを作ることは出来ますが、片引き戸のときにもお話したように、耐力壁の関係で壁を削ることができない場合はふかすことでニッチを作ることが可能になります。)




せしたは壁をふかすことにより、アウトセットを回避し、希望の片引き戸を採用することができました。そこでもう一つ悩んだのが、ふかす範囲です。壁を一面、端から端までふかすことも考えたのですが、冷蔵庫や洗濯機の搬入経路を狭めるのは得策ではないと考え、片引き戸が納まる範囲までをふかすことにしました。





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それにより、壁に凹凸ができてしまっているので、見た目的にどうなのかなという心配もあるのですが、先ほど紹介した「ニッチ」っぽい雰囲気を自然と演出できないかなと前向きに期待しております。完全にニッチにしてしまうこともできたのですが、経路の確保は最優先ですし、「ニッチをつくりたい!」という明確な目的意識もなかったので、凹凸は残したまま壁の下地補強だけお願いすることにしました。




下地補強をしているので、今後棚を増設したりすることが可能です。住みだしてから感じたこをもとに、家をアップデートしていきたいと思っています。




泉北ホームを検討されている方向けの話になるのですが、今回の記事のタイトルを「設計&IC編」としています。それは、玄関収納に合わせて設計した窓と同様、「片開き、片引き、アウトセットなどドアのタイプは設計」「建具のメーカー、デザイン選びはIC」という泉北ホーム特有の分業から来るものです。



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泉北ホームでは、設計打ち合わせを終えると家の構造計算に入ってしまうので、ICとの打ち合わせの際に変更できないことが多々あるのです。ですので、建具デザインなどIC打ち合わせで検討するようなことも、設計打ち合わせの段階から視野に入れておくことをお勧めします。




また、せしたが希望していた4Pデザインが、本当にアウトセットで採用できないのかも実はよく分かっていません。(DAIKENのカタログを見る限り、選べそうな気もしています。)せしたは泉北ホームからいただいていたプレミアムパッケージの標準仕様書をもとに判断し、壁をふかすことにしましたが、そのとき相談していたのは設計さんです。泉北ホームの設計さんは残念ながら、建具などICさんの範疇になることにはそれほど詳しくありません。ですので、もしかしたらアウトセットでも4Pデザインを選ぶことができたかもしれません。(アウトセットで4Pタイプを選ぶとオプション費用がかかってしまう、というような話なのかもしれません。)せしたはすでに壁をふかす判断をした後でICさんとの打ち合わせに臨んでいたので、アウトセットの場合のドアデザインの採用可否については話をしませんでした。




せしたの情報が正しいかも分かりませんし、もし正しかったとしても「ハウスメーカーの標準は変わり続ける」ので、これから先、変化していく可能性も大いにあります。ですので、長々と書いてきましたが、今回の記事で「泉北ホームでは設計打ち合わせの段階からIC打ち合わせで決めることも事前に検討しておいた方が良い」「壁をふかすことで可能性が広がる」「猫の息吹を感じることで世界は平和になる」という三点が伝われば幸いです。





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先ほど、「猫の息吹を感じることで世界は平和になる」なんていう大層な言葉が飛び出しておりましたが、猫と一緒に暮らしている身から申し上げれば、あながち「ふかし」ではないと思う今日この頃なのです。